亀井たくまさん(先生というべきか)のなんちゃってシリーズ。新刊。Jazz Guiterのシリーズはありましたが、こちらはBlues編。何でギターの教本の紹介なんてするのかというと、亀井(先生)とは古く前世紀からのバンドつながりで知っていたりします。昔一緒にライブやったりセッションやったり、今では柏、馬橋あたりのセッションで時々合ったりします。(最近御無沙汰ですが) こちらwww
しかし、この教本、本当に良く出来ていると思います。Jazz,Bluesの「クサさ」のポイントを押さえて模倣・再現しようというコンセプトは非常に面白い。こういった事は音楽とか楽器とか分かってないと書けないですね。まあ、こういった事は自然に身に着く人もいるだろうけど、ちゃんと分析して分かりやすく解説して行っているのはすばらしいです。最低限の労力で最大限の効果を上げるという姿勢は音楽に限らず何でもあるべきです。パーフェクトな理論やテクニックを仰々しく教え込むばかりがメソッドではないです。
Guiterの事は知らんのですが、確かにフィンガリング等楽器に特化した部分は多いですが、良く読むと管楽器にも為になりそうな事いろいろ書いてあります。読んでいてほうーというところ随所にあります。ネタバレするといけませんので、興味のある方はお買い求め下さい。個人的にはこういうやつのJazz Sax版ってあったらおもしろいだろうなと思います。→なんちゃってジャズブルースギター
last.fmというのに入ってみた。iTunesなど音楽プレイヤと同期した音楽専用SNSなのですが、アメリカでは流行ったらしく最近日本版がサポートされたそうで。(mixiのmusicのオリジナルだろう)
専用のドライバがあって、iTunes(またはWindows Media Player、Winampなど、だそうだ)で視聴された音源等のデータを再生中に自動でlast.fmのサーバへ送り込んで自動で集計して、他メンバーとの関係付けを(勝手に)作ってくれる。らしい。
中々おもしろい仕組みだけど、実際使ってみると、いや重い。。。mixi.の比じゃなく重たい。last.fmへログインすると自分の現在の状況など見えますが、いま聴いている曲のCDのジャケットまで自動で検索したりすごいことしているのだけれど、こんな事同時に何万ユーザへ提供したらそりゃ重たいだろうなぁ。ドライバが稼働中だと自分のプロファイルへアクセスが遅いとか、昨日は半日止まってたし。でも停止中とかメンテ中とか案内無いし。
日本語版は7/25サービス開始なので、まだできたてのサービスです。まだこれからいろいろあるでしょう。日本人も結構参加しています。1週間程でユーザのマッチングを取って似た傾向のユーザを紹介してくれるそうだ。とりあえずOld Jazz,Old Blues聴きながら様子をみましょう。広告が表示されるのは有料サービスに移管すると見えなくなるそうだ。運営はexciteならしい。→ Last FM
聴きたい音源があるのだけど、CDが品切れで手に入らない、という事はよくあります。そいう音源でもネットにはあったりするのですが、何のかんのと契約しなければならないので面倒くさい。加えて同じ様なサービスやっている処が沢山あって、どれが何だかよく分からない。
とはいえ必要に迫られているので、検索して引っ掛かってきた最初のサービスに契約してみました。月々定額で、ダウンロード数制限なし。最初の25曲は無料だそうで。少しはお特なのかな?
音源はmp3でブラウザから選んでダウンロードするのだけど、ダウンロードツールは専用です。でしょうね。只のブラウザでは正確にカウントできませんから。
ブラウザから"Download"ボタンをクリックするとツールが起動して所定のフォルダにダウンロードしてくれるのだけどこのツールがbugてて、プリファレンスでフォルダ指定しても必ずHomeフォルダにしかダウンロードしないのです。こういった処いいかげんですね。
曲はというと、何でもかんでもあるわけではないですが、レアなアーティストでも何だかは揃えてある様です。ただ、他のサービスもしらべたけれどパーソネルのデータはありますが録音年代のデータは何処も押さえてないです。この辺がダウンロードサービスの限界かと思われます。
Xylophon & Vibraphoneプレイヤー Red Norvo.本名がJoseph Kenneth Norville.生まれは1908年イリノイ州生まれ。最初ピアノで後にXylohponへ転向。1920年代の終わりくらいにはタップダンサーとしてボードビルショーで出ていたとあります。1930年初めPaul Whitemanの楽団へ参加、その後Benny GoodmanやSwing時代は自己の楽団で活動していました。Swing以降はParkerやガレスピーなどのBop系の活動も行いミンガスやらレッドミッチェルやらとも共演。没年は1999年(!)1980年代まで、本当に幅広く活動したプレイヤーだそうです。pioneer of mallet instruments in jazz,などと呼ばれています。
1944年7曲、1947年15曲、入っています。1944年の録音はVibを使ってピアノにTeddy Wilsonを入れた6−7人コンボによる古い系のSwing。1947年はバラエティに富んでいて10月録音の2曲がAltoにBeny Carterを入れた4管による9人編成で、モダンなSwingとバラード。11月28日の録音2曲ではDextoer GordonのテナーとBarney Kesselのギターが入った3管によるSweetなスローとUptempo(曲名が Bop! まあそんな感じの)
12月1日にはVocalのKay StarrをフィーチャーしたSweetなアレンジによる録音。Kay Starrはけっこう良い感じのVocalです。録音も多いのでまた別な機会に聞いてみたい。
12月8日と18日にはうって変わってOboeやFlute,Basoonなどを入れたチェンバーオーケストラによる演奏。ここではXylophonを弾いていて全体にModern&Sweet風のエキゾチックな音楽をやっています。ライナーに書いてないけれどどうもこの2日の録音は映画かドラマの劇伴みたいに思えますが。。。
ちょと変わった、というか結構マニアなCDです。Fletcher Hendersonの初期の録音なのですが、Hendersonがバッキングを務めた当時のBlues Singerをフィーチャーした録音を集めたものです。
BluesといってもMa Raineyとかとは違うボードビル系のBluesです。バッキングはバンド構成でそれなりに豪華なアレンジメントもあります。ここに納められているのは1920年代のRace Record時代に本当に経営から黒人によって始められたBlack Swan Recordsの初期の録音です。ライナーによればBlack Swan自体が、たまたま音楽活動に入ってしまったFletcher Hendersonの音楽性を見込んで(というか全面的に頼って?)始まったフシがありまして、Mamie Smithの様なヒットを目指して(2匹目のドジョウとも言う)て始まった様です。
そのヒットを目論んでのシリーズがここらの録音だったらしいのですが、残念ながらこれらのBlues Singerはあんまり売れなかった様です。Black Swan自体長続きしなくて1923年に終わってしまいます。
音楽的にはボードビルなのでBluesというのもののBlues唱法はあまりみられません。この中では唯一"Mary Straine"がBluesらしいか。何というか全体的に中途半端な歌が多いという印象です。1923年の録音になると予算不足のためかバンド編成ではなくFletcherのピアノだけの伴奏になります。1923年10月までの録音が残ってますが、この年の12月には倒産してしまうので、まあしょうがないか。当時こういう音楽があったのだなぁという意味合いでは面白いでしょうか。
一見テナーに見えますが、テナーではありません。実はしばらく前に間違ってeBayから落としてしまった。。。C-Melody Saxで年代はシリアルから1927年くらいと思われます。 こちらが同時期のテナーです。キー配置等全然変わらないのと、右手Dキーの位置がちょと変わっているのですが、左手フロントFキーがあるのでテナーだと思いこんでBidしてしまった。BuescherのC-Melodey SaxはフロントFは無くて右手F#が管体ウラにあるのが一般的なデザインで、この様なTrue Tone Tenorをそのままスケールダウンしたタイプの楽器があるとは知りませんでした。確かに良ーく見れば管体とキーの大きさのバランスがTenorとは違うのは分かるのですがねえ。
eBayの出品やネット上の情報では1925年を境にC-Melody Saxは何故かいきなり数がなくなり何処も生産やめたのではないか?とも思われるのですが定かではありません。ホームユースが主な需要だったので生活パターンが変わったのでその為に生産がされなくなったとも考えられます。ただ、C-Melody自体はクラシックでは正規の楽器として扱われていたし、当時(今でもか?)教会などの真面目な用途もあり、使われていたものですから、Buescherとしては需要が減っても手を抜かずにラインナップとして揃えていたものと考えられます。
勘違いだったわけですが、楽器自体は結構良いものと考えて良いでしょう。
実際レアで貴重な楽器である事は確かです。残念ながらオクターブキーのロッドが曲がっていて音は出せません。良いものである事は確かなので、まだ調整出していないのですが何かの機会があれば使ってみたいと思っています。
まあ暑いとあんまりHotなJazzでもなく、もっとサッパリした音楽を聴きたくなります。こういう時はChoroが一番じゃないかと思います。そこで何枚か持っているChoroのCDの一枚。
何分ポルトガル語なので何書いているかさっぱりなのですが、 中南米音楽(ここから買った)の解説ではブラジル音楽の始祖Flautaの名手Benedito Lacerdaの生誕100年の記念で同じく現代のブラジルのFlautaの名手である Alexandre Maioneseの演奏によるアルバムだそうです。Beneditoは何でもFlautaの名手だそうで、沢山の作品を残してるそうです。
全部12曲、編成は通常のChoro編成(ギター、バンドリン、カバキーニョ、パンディェロ、ソロ楽器)なのですが、3曲程アコーディオン(バンドネオン?)やTpet,Tbone,Tenor Sax等が入った演奏もあります。
ソロ楽器が複数ある場合は当然ですがメロディ以外はオブリガートに回ります。Choroの譜面は持っているのですが、基本的にメロディとコード進行しかありません。場合によってはコードも無かった様な。(コードはアメリカ産なのでブラジルに伝わったのは20世紀に入ってしばらく経ってから)
ChoroではJazzの様なAd libは無くて、メロディはほぼストレートにちょとフェイクしながら演奏されます。バッキングのフレーズは奏者が考える、、、まあChoro基本のリズムがあるのでそれに沿った形で演奏されます。しかしメロディ楽器が複数になると何処かで誰かがオブガートに回る事になりますが、オブリガートは譜面には指定されてないはずなので、そこは即興となるはずです。確かに録音を聴くと交互にメロディを取って、他の楽器は即興でオブリガートを入れている様に聴こえます。これはNew Orlenasの形態と同じです。基本的にAd libは無いはずの音楽なのでさて?という疑問が残りました。この辺になると調べようが無いようでChoroの専門家に聞いてみるしかないです。
ホモ・ルーデンスという本があります。ヨハン・ホイジンガの著作ですが、今となっては著作というよりも、その中で語られて一般化した概念、と言ってもよいでしょう。文化/文明以前に、人間には「遊ぶ」習性があり、それが人間を人間たらしめているという論です。この論を音楽にあてはめてみて、人間の本性として、何でも良いから音を出したいという遊びとしての本能がある。とします。
ただ、音を出しただけでは最初は面白いかもしれないけれど、単にうるさいだけで、イタイだけなのでそこで何だかの工夫を人類はする事になります。太古の昔ではせいぜい木を叩くくらいしか音を出す方法は無かったと思います。叩くだけではウルサいだけなので、ウルサくなくする為には何だかのルールを持って叩けばよいだろう、という事で”リズム”が生まれたと思うわけです。
太古の昔では遊ぶ事の前に生きる為に、何だかの創意工夫が必要とされます。この工夫は狩猟や農耕のための技術として弓矢の様な武器やスキ、クワ、等の道具、その道具を作る木や金属の加工技術に用いられるわけですが、この工夫が遊びの為の道具=楽器に平行して活かされていると思われます。石器時代から原始的な楽器は存在した様ですから。
旋律ってやつも先ずは声で代用されたと思われますが、直接声をコントロールするよりも工作精度がある程度高ければ何だかの道具によって音程を維持した上に旋律を作る方が簡便で確実です。絶対音感覚を持った古代人もいたかもしれませんが、現代においても絶対音感覚を生まれながらに持った人は極めて少ないので、やはり旋律の元となる為の正確な音程は何だかの道具(=楽器)による外部記憶に頼るのが良いでしょう。音程が正確に取れる道具の創作とメロディの元となるスケール・音階が形作られていったのではないかと考えます。この為には工作技術と同時に「モノの大きさを同定する」というかなり高度な知恵が組み合わされなければなりませんが、人間は言葉で知恵を後世に伝える事が出来るので、時間はかかったけれど音階は確定されました。明文化されて残っている最古の音階はピタゴラス時代が最初でしょうか。
話を現代に持って来て、本質的に「音を出したい」という意志が人間の本能であるとしてそんな人間に楽器を与えたら?
Jazzの始まりは南北戦争の終わりに軍楽隊の楽器が払い下げられて黒人たちの手に渡ってからだと言われてますが、この説は分かりやすそうで、現実的には??です。大体、いきなりタダの楽器が手に入ったからといって、指使いも分からないで楽器の演奏が出来る様になるとは考えられません。文字も満足に読めなかったといわれる人たちが自前で教本だけで習得したとも思えません。
黒人の歴史の中で、南北戦争当時南部の奴隷層だった黒人が多数北軍兵士として参戦した事が伝えられています。ここから当時貧しかった黒人が楽器というものを手にしたのは軍隊に入ってからなのではないかと、今考えています。軍隊に入って軍楽隊に入ればそこそこに譜面の読み方や楽器の操作も覚えるでしょうよね。最初のきっかけとしては何だかの教育を受けないと楽器の操作も簡単には出来る様にはならないでしょう。貧しかった黒人が軍隊に入ってそこで楽器に触れた。戦争終了後に自由人として、そこからJazzの元が始まったというのが自然な流れだと考えられないでしょうか。当然払い下げになった楽器も、もしかしたら退役する時に軍から貰って来たとかではないかと推測する次第です。
最低限の楽器の操作を覚えた処で、本質的に「音を出したい」人がする行動は何だかというと、先ずは自分の知ってるメロディを演奏する事だと考えられます。これは誰でも同じでしょう。次に一人で演奏しただけではつまらんので誰かと一緒に音を出したいわけですが、そこでは何だかのルールが無いと音がブッつかってイタイ事になってしまいます。
「とにかく音を出したい」「でも好き勝手やってはイタイだけ」という一見矛盾した目標をクリアするには的確な指導書と手本になる音源(CDやら)、経験者によるリーダシップや教育が必要となります。小学生の吹奏楽団の指導がこんなものです。
が、昔の黒人たちにはラジオも無い指導者や手本になるレコードや譜面など手に入らない時代・環境にいる人々ですから、どうすれば良いかと、みんなで音を出して出しながらリアルタイムにどうするか考え行動する、この繰り返しで音楽を作るやり方が一番理に適っていると考えられるわけです。(そうする他に方法が無い!)
最低限のルールとしてリズム・ビートを決めて、メロディを決めて交互に演奏して、他の楽器は必要に応じて間を埋める。。。非常に単純でかつナチュラルなルールですが実はこれ、Collective Improvisationそのものです。メディアも手本も無い状態では集団即興による音楽作りが一番手取り早く、かつローコストに済む音楽制作法なわけです。この形態の実現には回りと自分の音を聴き分けるある程度"良い耳"が必要ですが、分けの分からん小学生ではありません。分別のついた大人のやる事であれば容易に実現可能であると考えられます。Collective Improvisationのスタイルはこの様な環境で自然発生的に生まれたものと考えます。
Improvisationが難しい?と考えられている様ですが、ためすけは即興で演奏する事は難しく無いと考えてます。よく、Jazzのアドリブが出来ませんとかいわれますが、これは最初から完成された「ソロ」をしようとするから出来なくなってしまうので、集団で互いに音を出し合う中でメロディのフェイク〜ソロと段階的に発展させる様な形を取ればImprovisationは自然と身に付くものと考えます。
すでにあるソロを「手本」として近づける様「努力」するものではなく自然発生的に出て来るものがImprovisationなはずで、その自然発生を促す様な練習法を取ればよいのですが、残念ながらこの方法では結果が出るまで時間がかかります。来年の秋のコンクールに優勝しましょう、なんて卑近な目標には適していません。音楽性の向上などの「進化」も成行きに任せればそれなりに進んで行きますが、現代では進化の先にあるものをいきなり要求するので本来易しいはずのImprovisationが難しいものにされてしまっているだけです。
これが悪い意味での20世紀の思想ですが、人間の根本的な欲求が「音を出したい」にあるのなら、その意志を最大限尊重すべきです。手本を見ながらはそれなりに結構ですが、何だかの音が出された後は、その音をあるがままに受け入れてその音を元に創意工夫を重ねながらリアルタイムに音楽を作り続けるという基本姿勢を崩してはいけません。音に対して寛容にならなければならないわけですが、遺憾のは「デフォルト音を出したい」欲求に対して「許可無く音を出すな」というスタンスがある事です。「遊び」としての本質から「ビジネス」へ音楽の位置付けがシフトしてしまったのが原因ではありますが、本来自由なはずのJazzも現代では音に対してとても不寛容な音楽になってしまったので(プレイヤーもリスナーもmodernもswingもヘタするとNewOrleans系やFreeJazzでさえ)もっとプリミティブなリアルタイムに音を作るという姿勢を取り戻す必要があります。
参考文献→ホモ・ルーデンス
Boswell Sisters の1931-1936年オムニバスです。以前のこちらのアルバムと年代的にもダブっていまして、曲も重なっています。だた、こちらのCDは一曲毎にパーソネルが細かに記載されているので、メンバーを知るのには良いです。バックは殆どがDorsey Brothersでした。
女性3人ですから全体にSweetです。ハーモニーもきれいです。ただー、、、何か今イチ地味なのですよねBosswell Sistersは。(ジャケットもレトロですな)何でかなと、後発のAndrew Sistersとちょと聴きくらべをしてみました。
全体にBoswellの方が3人とも声質がハスキーで低めの様です。また3人のコーラスがハモっているのですが、やや低い音域で内声が強調されてクローズにハモっているのでメロディラインがかえって隠れてしまうという感じがありました。Andrewに比べて華やかさに欠けるのですね。バックの演奏含めてトータルに「Jazz」しているのですが、も少し明るい感じが出せたらよかったのにな、と思います。そういう意味ではAndrew Sistersの方が今風のよりPopな音楽ですね。
このCDを入手した理由がもう一つ、 Red Norvo のCDにも入っているのですが、"Don't Let Your Love Go Wrong"が入っているので聴いてみたかった事。この曲は Henry Red Allen にも入っている軽快な曲で個人的なお気に入りのナンバーなのですが、Allmusicで調べた処ではこの曲が録音されたの過去4回しか無いみたい。オリジナルがRed AllenでこのBoswell Sistersはそのカバー、Claud Hopkinsが同年カバーしていて、後年Kay Starrが歌ったのが最後らしい。Claud Hopkinsは品切れで手に入りませんでした。もっと誰かがカバーしても良い曲だとおもうのですけれど。この時代にしてはリズムは変わってますが、何かの機会に自分のレパートリーに入れてみたいなとも思っています。
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どうしても気になるのでAll The Published Sides を仕入れてしまいまいした。何分5枚組なのでまだ全部聴き終わっていません。とりあえず一枚目。録音年代は1926-1927年3月。VocalとBlakeのギターの取り合わせです。Blake自身のボーカルが沢山入ってます。ゲストVocalのトラックにはLeola Wilsonとあります。Leolaは coot grantの名前で1905年くらいから活動しているBlues/Jazzのシンガーでした。Fletcher HendersonやMezz Mezzrow,Sidney Bechet,Lous Armstgrongらと共演している人でした。Piano(Poss Jimmy Blythe)やKazoo(Poss Dad Nelson)の入ったトラックもちょとあります。
通して聴いて、何か同じ様なイントロとか同じ様なフレーズがありますね。まあこれはBluesなので良いでしょう。ラグライムブルースだとかカントリーブルースだとか、いろんなカテゴライズがされている様ですが、自然なグルーブ感が心地良く、いい気持ちで聴ける音楽です。Track20のOne Time BluesがSweet Home Chicago に似ているなあ。。。→Blind Blake
Columbiaのプロモータだった Ed Kirkeby という人によって興された楽団。全員白人で構成されています。Edは録音ではvocalも担当。
このメンバやゲストを元に中・小編成のバンドをいくつもプロモートしていたそうです。
California Ramblersの編成は11-12ピースの大きめの編成の楽団で、ダンスバンドという事になっています。音楽は歯切れ良くとっても明るい、Sweetぽいという感じはありますが、Whitemanの楽団などよりはJazz/Swingしてます。名前の"California"は別にそこで活動したからというわけではなく、当時Californiaがアメリカ、特に東海岸の人々には人気の地域で、それでネーミングに付けた様で実際の活動はNew Yorkです。
この楽団のユニークなのは通してBass Saxを低音楽器に使っている点でしょうか。初代のBass SaxがAdrian Rolliniという人で後にSpencer Clark という人に変わります。どちらも名手で良い感じのソロを聴かせてくれます。普通はWood BassかTuba等を使うところBass Saxにこだわって音楽を作っています。独自の歯切れ良さはこの楽器に依るところがあるのかもしれません。この2人のBass Saxプレイヤは後年色々とユニークな活動をしていた様です。Scotto Robinsonもそうですが、Bass Saxを吹こうなんて人は変人が多いです。
このシリーズ、演奏も良いのですが録音も当時としては音が良いです。電気録音の初期にあたり1マイク録音ですが、Colombiaの技術陣が非常に丁寧に制作して行ったものと考えられます。若い頃のJimmy Dorsey、Tommy Dorseyが通して入っています。Altoの音の柔らかさはこの時代独特の音ですね。Jimmy Dorseyのフレーズ・奏法がTraumbauerに似てます。かなり意識しての事と思います。
大体Old Jazzな人なら一通り聴いているはずの、Hot Five , Hot Sevenです。まあ何を今さら、って感じですが。何気なくオーダーしたら4枚組でした。うは。とりあえず一枚目聴いています。Hot Five時代の1925年11月から1926年11月の一年間になります。Louis Armstrongは1923年までKing Oliverのバンドにいて、そこを抜けてしばらくNew Yorkへ修行に(?)行きます。そこでBessie Smithと一緒に録音したりFletcher Hendersonの楽団に参加したりして腕を磨いて再度1925年Chicagoへ戻って来ます。そこで結成したのがHot Fiveで、Jazzの世界に革命を起こした、というのが通説になっています。
中心メンバは移動はありますが、Cla:Johnny Dodds,Tb:Kid Ory ,Piano:Lil Armstrong,Banjo:Johnny St. Cyr とまあお馴染みの面々。ドラム/ベースレスという点に注目。NewOrleans系の音楽をやっている/聴いている人ならばこの辺りは聴き尽くしているはずなので、私がどーのこーのいうものでも無いのですが、それまでCollective Improvisationの音楽だったものをソロを中心とした高度な音楽へ進化させたのだそうです。また、1926年の世界で始めてのスキャットといわれるHeebie Jeebies も入ってます。
それでは、この録音どれほどまでに当時の音楽と違うのかっ?・・・聴いたところたいして変わりありませんなぁ。(なんだそれ) Collectiveな部分はちゃんと残してあります。
正確に書きますと、実際の違いはKing Oliver Creole Jazz Bandの録音と比べると顕著になります。King Oliverの方は常に何かの楽器が音を出し続けている演奏で全体にゴジャゴジャしていまして、悪く言うと混沌としています。その点Hot Fiveはもっと整然としていて、Collectiveな部分とソロの部分をしっかり分けて対比させ、音楽を作っています。
ではその様な事をやったのはLouis が始めてなのか?どうもそうでも無いと考えられます。もう一人のボスのFreddie Keppardのバンドは小編成ですが構成(アレンジ・譜面があったどうかは不明)の比重がKing Oliverよりも大きくSoloとの対比もあります。が、こちらはSoloのImprovisationやや劣り、またメロ+ad libというスタイルを大方守って演奏されます。Fletcher Hendersonの楽団はしっかりアレンジされSoloとTutiの対比が見事な演奏を聴かせてくれてSolo-Improvisationも大変良い演奏が残っています。Hot Fiveの違いはそれまでのNew OrleansのスタイルのCollectiveな部分をTutiとして使い、かつSoloでは各プレイヤの特性を活かしバックの楽器を減らしてまで際立たせたという点に違いがあります。NewOrleansスタイルと当時すでにあったアレンジ・構成された音楽のイイトコ取りをしたのが特長であると考えられます。これはメンバーの技量が当時のトップクラスであった事とも関係すると思います。
ためすけの推理。Louisのこの頃の録音はマイク録音の初期ですが、それにしても大変良い音で入っています。これは当時のカーボンマイクの特性で、夜間ストーブであぶってよく乾燥させた状態でないとうまく音が録れない難点があったそうです。録音の最中に徐々に湿ってきて性能が悪くなるのだそうです。Louisはこの点を見越して午前中のマイクがよく乾燥して良い状態の時に録音を入れたと、話しが残っています。
当時の決して音の良くないSPレコードの時代にそこまで録音の質にこだわったというのはそれだけレコード/メディアの存在を意識していたという事でしょう。であるならば、当然ながらSPレコードの中でどうすれば音楽をより効果的に聴かせられるかは十分に考慮した上で音楽を作っていたと考えられるわけです。Fletcher楽団の様な編成の大きなものではSPでは満足に音が分離しませんで聴きづらいです。King Oliverの様な始終いくつもの音が鳴っているという場合も同様です。そういった中でHot Fiveのドラムもベースも無い5人と言う小さな編成で、Collectiveな部分とバックの楽器を減らしたSoloの部分を対比させた演奏というのは当時SPレコードのクオリティから考えても非常に効果的な解です。この辺りがHot Fiveの音楽のヒミツではないかと踏んでいます。
また、世界初のスキャットHeebie Jeebiesについても、何だかたまたま譜面落としてしまったので偶然にやってみたら面白かったから、とか言われてますが、油井正一さんも書いてますが、やはりスキャットは計画的にやったとしか考えられません。録音聴いてもあまりにも滑らかで、最初からあの様に歌うつもりでやったとしか考えられませんです。
Lester Young BOX版4枚目。1946年1月から1949年11月。中々むつかしい時期です。この時期のLesterを「老成」した、といわれる場合もある様ですが。同時期の録音としてClassicsシリーズにも入っていますが、本当に調子悪い演奏もあります。やはり疲れている時期だと思うのです。
BOX版ですが、コンプリートでないのであまり調子の悪い時の録音は入っていません。最初の5曲がLosでの録音、次に3曲がChicago、後の9曲がNew York、2曲JATPのライブが入っています。JATPを除いてLester Youngのバンドとしての録音です。JATPの演奏は大変浪々として良いと思いますが、昔だったら長いソロでも変にブローしたりせずに目の冴える様なフレーズをもっと聴かせてくれたろうになぁ、などとどうしても思ってしまいます。
Lesterはこの後1950年代も活動はしていて録音も残っているのですが、病気もしたりして数は減っています。良い録音もあるのですが。BOX版に収録されないのはまだ版権が残っていて、簡単に復刻ができない事情が、と思われます。
1950年代にリリースされたTab Smithの録音の復刻。以前聴いたJump Timeの次の時期になります。1952年から1953年にかけての録音です。
スローバラードとJump系Bluesですが、特にスロー系のAltoの奏法はHodges真似のコテコテのBendingとクサい節回しばかりです。まあBluesはクサいものですが、このシリーズのTab Smithはどうもわざとらしい演奏にしか思えません。変なエコーエフェクトかかっているし。安物のピンク映画のバックに流れて来そうな音楽です。タイトルチューン"Ace High"、何曲かはTenorを吹いていますがTenorの方は非常にストレートに演奏していますので、Altoの奏法などはTab Smithがやりたかったのではなくてプロデューサーあたりからこうやれ、と作らされたレコードの様に思えます。一曲だけストレートにSwingしている録音"Closin' Time"があってこれは良い演奏なのですが、なんとunreleasedだそうです。時代からTabの様なプレイヤにとっては恵まれない時期だったのだろうなぁと考えてしまいます。
ところでジャケットの写真はアンダースラグのネックにマイクロチューナ付きでこちらはCONNの6Mあたりの様です。ただ写真の時代がちょと分からないのですが。CONNも使ってたという事ですね。
このシリーズのCDは1957年録音まであと3枚くらいあるらしいですが、ちょと聴いていて痛々しい面もありまして他の買うのは控えよう。でも後には良い演奏もあるのかな。
明日、昨年に引き続き、まつりつくば野外ステージでJumpライブなので、弱ったリードを渋茶療法してみました。何でも雅楽のひちりきなどで使われる方法なんだそうです。熱湯でお茶をいれて、お茶の中にリードを浸しさめるまで待つ。それだけ。これで弱ったリードが復活するとか、長持ちするとか、鳴らないリードが鳴る様になるとか・・・
あとはリードをできるだけ水に浸しておくとよいとな。気に入ったリードは中々ないものなので。いろいろやってます。
Buddy JohnsonとElla Johnsonのベスト。Bud JohnsonのCDと間違ってオークションから落札。まあいいか傾向似ているし。。。Buddy Johnsonは1941年から1950年代始めまで、Savoy Ballroomで活動したR&B,Jumpバンド・・・時代と活動場所からいってSwingのはずなのですが、何故かR&Bになってしまうのです。その辺の理由は実際に音楽を聴いてみるとよく分かります。このCDベスト版なので1941-1952年まで10年余の演奏が入っていまして、当時の音楽(特にBlackを中心とした)の変遷が分かって興味深いです。Buddyの楽団は1941年当初は9ピースのバンドでスタートしたそうですが後年、CDジャケットにありますが完全なフル編成のBigBandになります。
1941年からの演奏ではいきなりアンプを通したギター(Elmore Jamesのスチールギターらしい)のバッキングが聴こえて来ます。サウンド的にR&R,R&Bなのですね。ただHorn Sectionについては古いSwing時代に倣っていまして、"Boogie Woogie's Mother-In-Law"はギターのバッキングに非常にスタンダードなClarinetのソロという面白い取り合わせが聴けます。Tenorの演奏も非常に上品なSwingのフレーズです。この傾向は1940年代くらいは保たれている様です。1950年代に入ると編成が大きくなったのだと思います。サウンドが厚くなると同時ギターの音が段々前面に出て来ます。ソロの比重がHornからギターにシフトして行くのがわかります。それに応じてSaxのフレージングが正統派のSwingから露骨にブローするホンカースタイルが多くなります。リズムやメロディで乗せる音楽からパワーとビートで乗せる様になっているのが分かります。Jazzの世界はModernにシフトして行ってる頃ですが、逆に、こちらの世界は反対に粗野なクサい表現にシフトして来ているわけ。この辺りが分岐点だったらしい。この時期の話は以前紹介の本でもあります。そんなわけでBuddy JohnsonはBlues Man になって行くわけです。
文責:ためすけ後藤
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Before...
■ ためすけ [即興の会、koshuさんも行っていたのですか。では今度顔出してみようかな。。。月曜はJumpリハがよく入っているのだ..]
■ koshu [>(1〜2回/月 あ、これは「一ヶ月に1〜2回」てつもりで書きましたです。(^^;; 最近は土曜日が多いようです♪ ..]
■ ためすけ [そうそうOlinzのwwwみて気付いてました。チェックします。 ]