ひょんな事から入手したOttolink Slant Signatureですが、マウスピースリフェースの専門の人に見てもらったところ、テーブル/サイドレールは削られてないが、バッフルは少し掘られている様だと指摘を受けました。サイドレール等の加工は本格的なリフェースになるので簡単には行わないが、アメリカでは息の通りを良くする為にバッフルを削る加工は結構イージーに行われているとのお話しでした。
オリジナルじゃないのかぁ、、、、とそれならリフェースしてしまえと思い切ってリフェース頼みました。7*程度のオープニングにしました。
結果は良かったです。しばらくLebayleを使っているのでこれでもまだ息が余る感じはありますが、息も入り易く吹込める様になりました。Lebaye程のパワーは無いですが、スモーキーなサウンドは渋くて良い味出しています。これでセッティングは右近茂さんに近づいたはずなのだけど・・・
大勢ホーンズみたいなバンドでも使えるかと思います。難点はリードがLebayleとは相性が違うので、Link用にもう1ラインナップリードを準備しないと行けない事か。。。
RICOの3と3半はどうもうまくいかなかった様。。。元から鳴りが悪かったのか、良いリードに仕上がらなかったです。
いつもの通りイシモリリード、残っているZZシリーズを再仕込み、やってみました。前に仕込んだリードは結構長持ちしています。いったいどれくらい持つのか、2週間から1ヶ月が相場の様ですが、ネットでみたらクラシックプレイヤの話があって、 リードについて なんとハコから出して2ヶ月くらいがいい具合だだって。こんな事言ってる人は他にいないけれど、あながちウソでは無いと考えます。
最初にリードを水に浸すと、ヒールの部分まで水が滲みて来るのが分かりますが、この滲みかたが、一様ではない。これは当たり前の話で表皮側は削ってあるので、大体は表皮側から先に水が滲みて来ます。滲み方を見ているとリードの水は維管束に沿ってタテ方向に滲んできて横方向には浸透しない性質があります。どういう事になるかというと、吹いた時に先端の方が良く濡れて裏側(テーブル側)は常にぬれた状態にありますが、いくら吹いても表側はすぐに乾いて水を含まない状態が続くわけ。10日くらいで仕込みが終わったリードもこの状態なので、リード全体が均一に馴染むまでにまだまだ時間がかかると考えられます。参考サイト考える葦
デルマークから出ていたAppoloレーベルの録音オムニバス。Blues系のSaxを集めています。納められているアーティスト、知らない人もいるのですが、一応列挙。
Willis Jackson(1950),Morris Lane(1951),Panama Francis(1952),Bill Harvey(1952),Charlie Ferguson(1953,1954),Bobby Smith(1952),King Curtis(1956)
録音は括弧の通りです。タイトルはHonker&Bar Walkersなのでゴリゴリのホンク屋ばかりか、というと録音年代からみてもそうでもありません。1993年発と古いCDなのですが、Morris Laneをも少し聴きたかったのと、ドラマーPanama FrancisのSavy Sultansを結成する前のバンドでAltoにHilton Jeffersonが入っているのがどうしても聴きたくてオーダーしました。amazonで来るまで2月くらいかかりました。
JeffersonのAltoSoloが一曲丸々聴く事が出来ます。とても艶のある良い音してますー。Hodgesに似ているといえば似ているのですが、Hodgesほどコテコテスイートではない上品さがあります。ParkerでもないしかといってHodgesソックリでもない丁度よいバランスのスタイルAltoは本当にいないものですねえ。。。
Willis Jacksonは1950年の段階でMorris Laneと同様にBopイディオムそのままのSoloです。Laneの1951年録音は4トラック入っていますがこちら3トラックが新曲でした。いくらかBopフレーズは控え気味になってます。Panama FrancisのバンドはTenorがCount HustingでLouis Jordanと一緒にやっていたプレイヤー。バンドのスタイルから考えてもホンカーというより正統派のR&Bです。
Bill Harvey & His Orchestraはホンカーぽいアクの強いBlues。面白いのはCharlie Ferguson 。ネットで捜しても情報がありません。短い期間しか録音が残っていない。ホンカースタイルのTenorですが音楽的には非常にHard Bopしてます。実力派ですが現在に名前が残ってないのが不思議。HardBopのオリジナルはR&Bだという一つの証拠かと思います。King Curtisは超有名ですが、このCDの中ではCurtisが一番アバウトな演奏してます。迫力はあるけれど。King Curtisのゴリゴリスタイルがホンカーの典型と考えられているけれど実際はそんなプレイヤーばかりでは無いという事が実際の処、ですね。Honkers & Bar Walkers
なんとご近所筑波大学の農林工学系(って自分の出身じゃないか)の小幡谷氏の リードについてのページ それと論文 1996
水に濡れたり乾燥したりの繰り返しで組織が落ち込み(つぶれちゃう)のがリードの変形の原因で、水分は結構リードに負担になるらしい。水の表面張力で組織が”座屈”するなどの記載もあります。乾燥は早めにやる方がリードへの負担は少ないそうです。
リードのヘタりはリード内の糖分が無くなる事で弾性が弱まる事が一つの原因。糖分は多いとリードの振動を妨げるので少し抜けた状態が良いようです。糖分は抜けてもある程度補充は可能。糖分によって高い周波数の振動が吸収されるので使っているうち糖が抜ける事で音が汚くなる等の副作用があります。日本酒に浸けると良いという話は糖分の補充にはなるので何かの意味はありそう。
水浸しの状態も安定した状態の様で水浸しで糖分が抜けた状態のリードは振動しやすいという性質にはなるので、意味ありそう。
また組織の落ち込み・・・細胞がつぶれた状態はリードの変形はこれが原因・・・になっても80度くらいで蒸煮すると復活するそうです。組織の細胞壁が壊れてないのならリードの復活は可能ぽいです。
荒っぽい事をいうとヘタったリードは日本酒に浸して蒸す、または蒸してから日本酒に浸すと復活する・・・または熱燗に浸すと良い?かもetc....これは私の独自の解釈なのであんまりアテにしないで下さい。
おおまじめにへたりリードの復活に取り組んでいます。写真は使い古しのヘタリリードをヤカンの蒸気で10分ほど蒸して乾かした後。結構復活しています。が、このまましばらく外に放置してさらに乾燥をさせるとまた曲がってきてしまいます。リードは乾いている様でも少し水分を含んでいて、この少し含んだ状態を保たないといけないらしい。少し乾いたあたりでリードケースにしまっておくと歪まずに保存出来そうです。いちいち蒸気であぶるのは面倒なので、小幡谷さんの実験の応用で一旦暑いお湯につけて、軽く乾かしてからケースにしまえば良い様です。実はこれは渋茶療法とほぼ同じだったりします。あの方法もあながち都市伝説ではなかったという事です。いろいろ試して他に自分なりに工夫した処では
80度から90度のお湯につけて、程々に冷めるまでおいておく。
リードを取り出し軽く水分を拭き取って次に日本酒につける。
5−10分程度して軽く拭って、そのまま乾かす。
日本酒に浸けるのはリードへ糖分を補充するため。酒は安物の甘たるいやつの方がブドウ糖が多くて良い(んじゃないかと思っている) またそのまま乾かすのは糖分が流失しない様にするため。しかしこれで本当に糖分の補充になっているかは不明。小幡谷さんのサイトではブトウ糖液に浸す実験があるので勝手に考えた次第。自分では結構回復したと思っています。あまりアテにしないで参考にして下さい。
今更にT-BONE Walker ... エレキギターによるBluesを演奏/完成させたしたギタリスト。あんまり有名過ぎで情報は山ほどあるので詳しくはそちらにお任せしましょう。こちらはサイドマンを中心に聴いて行きます。
1929年の発リーダレコードでは普通のギターとPiano Douglas Fermell でフツーのBluesを歌ってます。レコード会社がColumbiaなのでBessie Smithみたいなスタイルそのままですね。1929年12月5日と大恐慌直後の録音という処がちょとめずらしいか。
10年録音が無くて、飛んで1940年にLES HITE のバンドでT-Bone Bluesを吹き込んでここらからブレークするのですね。録音はこの後1942,1945,1946年と続きます。1940年代からはもうお馴染みのHornを2-3管入れたJumpスタイルでずっと来ています。1945年はchicago録音で1942年と1946年はLos Angels拠点で1946年の録音からBlack and Whiteレーベルになっています。この辺を確かめたかったわけですがBlack&Whiteの1946年録音8トラックは全部McVeaのTenorになります。録音の名義も"T-BONE WALKER and HIS GUITER WITH JACK McVEA ALL STARS" 等、誰がリーダーなのか分からんようなネーミングもあるし。T-Boneのバンドのあの雰囲気はMeVeaの Tenorを抜きには無いものでしょう。
文責:ためすけ後藤
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