ちょと変わった、というか結構マニアなCDです。Fletcher Hendersonの初期の録音なのですが、Hendersonがバッキングを務めた当時のBlues Singerをフィーチャーした録音を集めたものです。
BluesといってもMa Raineyとかとは違うボードビル系のBluesです。バッキングはバンド構成でそれなりに豪華なアレンジメントもあります。ここに納められているのは1920年代のRace Record時代に本当に経営から黒人によって始められたBlack Swan Recordsの初期の録音です。ライナーによればBlack Swan自体が、たまたま音楽活動に入ってしまったFletcher Hendersonの音楽性を見込んで(というか全面的に頼って?)始まったフシがありまして、Mamie Smithの様なヒットを目指して(2匹目のドジョウとも言う)て始まった様です。
そのヒットを目論んでのシリーズがここらの録音だったらしいのですが、残念ながらこれらのBlues Singerはあんまり売れなかった様です。Black Swan自体長続きしなくて1923年に終わってしまいます。
音楽的にはボードビルなのでBluesというのもののBlues唱法はあまりみられません。この中では唯一"Mary Straine"がBluesらしいか。何というか全体的に中途半端な歌が多いという印象です。1923年の録音になると予算不足のためかバンド編成ではなくFletcherのピアノだけの伴奏になります。1923年10月までの録音が残ってますが、この年の12月には倒産してしまうので、まあしょうがないか。当時こういう音楽があったのだなぁという意味合いでは面白いでしょうか。
文責:ためすけ後藤
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