オークションで入手しました M-AudioのLuna 古いタイプのマイクで現行の製品はLune-IIでパッドやローカットSWが付いています。こちらはSWの無いタイプ。
オリジナルの中身ですが基板は2枚に分かれていて信号系と電源系、電源系はトランスからの直流をそのまま整流してダイアフラムや信号系へ給電するタイプです。2枚の基板の間はピンで接続してあって美しい設計。
この電源系で驚いたのがコンデンサ類。チューブラタイプ電解が珍しいだけでなく、一個タンタルが。このタンタルCA30Wはなんと湿式タンタルでした。現在このタイプは手に入らないわけではないですが、この容量で今Mouserで買っても一個4500円とかとんでもない値段に、、、軍用しか使わないのか。交換は勿体ないので電源系の改造はどうするか思案中。
★ 信号系はM-Audio Novaとそっくりでパーツは良い物を使っています。フィルムコンに初段はポリプロピレンの様です。これは確か日本製。セラミックは一個もありません。非常にシンプルな構成で美しい。ただ、カップリング/バイパスコンが中国製電解なのでこれは交換の余地ありかと思われます。
それで改造後電解コンデンサはタンタルに交換。FETの負荷抵抗、トランス直列カップリング抵抗など何個かを千石のREY、秋月の利久製金属皮膜に交換。バイパスには裏側にニッセイMMTを並列で入れました。
タンタルへ交換したばかりはどうしても硬い音になる傾向がある様です。ディティールは出る様になるのですがタンタルコンデンサもしばらくはエージングしないといけないみたいです。改造後一月ほど使っていまして馴染んで来た様子。音は改造後のNovaよりレンジが広くて良いです。トランスやダイアフラムの違いがあるではと考えられます。カタログによるとM-AudioのマイクはLunaシリーズから上のクラスはダイアフラム厚みが3ミクロンとなっている様でその辺の影響ではないかと思います。
先ずはUPSで荷物が届いた。何だかというとこれはエレクトレット・コンデンサマイクのカプセルです。
★ TSB-165AというものでアメリカのThe "Alice" Microphoneというプロジェクトで使われているマイクユニット。 Alice Mic アメリカには自作マイクのコミュニティがありそこで幅広く使われているもので応用例が沢山あります。メーカーはJLIエレクトロニクス JLI 製造は中国のメーカですが評判は良い様です。RODEやBehringer,AudioTechnica,AKGなどでも使われているメーカーだそうです。
このユニットを使ってオリジナルマイクを作ってみようというも目論みです。先ずこれをBehringerC1のユニットの代わりに使ってみました。オリジナルC1より僅かに外径が大きいです。C1カプセルのハウジングは合わないので銅線を巻いてとりあえず取り付け。サーキットの方は以前電源回りを補強したものを使いました。
★ 録音してみた処、レベルがまた一段と高い。電源の補強でゲインがあがったよりもさらに高いです。ユニットの規格を見るとレベル-45,+/-4 dBという事で大部出力に幅があるのでバラつきに寄るものかもしれません。
次にオリジナルマイクを作る事に。回路はAliceMicProjectの回路参考に作成しまして、最初ツェナーダイオードとか無いので抵抗分圧で。また1GΩの抵抗も無いのでSWダイオードを逆接続して替わりにしたり。回路図上にカップリングコンデンサの値が0.22μF,0.24μFとあるのは間違いではありませんで、FETのソース/ドレインではインピーダンスの違いから(と思う)伝達特性が異なっています。厳密に反転信号が出てないとSPICEのシミュレーションでは言っているのでそれに合わせて補正するためこの値になっています。実際にキャパシタの容量を測定して大きめの容量の方をソースカップリングに使います。
★ 回路図はSPICEエミュレータを使っているのでファンタム電源部分を含んでおります。こうする事で全体の特性がシミュレーションできます。初段FETには2SK117GRで設計。この位置には2SK170BLあたりが良く使われる様ですが入力容量の関係で117の方が良いのじゃない?という理由ですが。取り替えながら試したいので。FETとエミッタフォロアTrはソケットにしました。初段FETのソケット化はノイズに影響あるかなと思ったのですが結構大丈夫そうです。
実際に録音に使ってオリジナルC1との比較ではゲインも高いのと確かに分解能は優れています。しかし全体に音が硬いのでした。。。これは手配線なのでハンダ付け時の電解コンデンサへの加熱はどうしても長くなってしまう様で手配線の時はエージングにはしばらく時間をかけなければならない気がします。サーキットを作った後でマイクユニットを取り付けずに通電だけ2、3日すると良いのかもしれません。とりあえずの始めてのオリジナルマイクとしてはイケそうな感じなのでFET,Trを交換したりして詰めて行きたいと思います。
FETを交換しながらバランスを見ては2SK170GRを一応採用。またMouserから1GΩ抵抗を仕入れて交換、さらにバランス良くなりました。
比較のために録音を。比べたのはGrooveTubesのGT-55 FET 。それなりの製品です。右チャンネルがGT55、左チャンネルが自作マイクです。オリジナルはC1の内蔵スポンジは外しました。
mp3 と aiff がありますがmp3で区別が付かない様です。aiffの方が分かり易いかと思います。aiff音声ファイルやや重いの(15M)で注意。録音はMixer A/DがOnyx820i ソフトはLogicExpressです。
音に違いはあります。レベルはオリジナルの方が少し低いのでは録音レベルを調整してあります。周波数特性の違いもありますがGT55の方がディティールが出ているもののオリジナルも遜色無いです。
だた、元がBehringer C1なので特有のボディの”鳴り”はどうしようもありませんでした。ボディを弾くとカーンと鳴ってしまい、カプセルを浮かせてもどうしても音は入ってしまいます。近くで楽器の音を出すと確実に共振していると思います。マイクのハウジングはかなり音的に重要なポイントでもあるので自分で作るにはこの辺が限界かなと思います。
文責:ためすけ後藤
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■ tosch [これままた大量に買い付けましたね。 最近こりまくっていますね。]
■ ringoro [他のサイズもあるのでそっちも欲しいのです。。]