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OldなJazzのルーズな日々


2007-03-11 音楽

Washboard Story washboard

Jazz Archiveシリーズのオムニバス版。Washboardの入った音源を年代ごとに集めてあります。1926〜1939年と10年以上になりますがこの間のWashboardの扱われ方の変遷がよく分かる編集になっています。1920年代の音源については手持のCDと何曲かダブっていました。お気に入りのJohnny DoodsのシカゴでのトリオとClarence Williamsの楽団の演奏が紹介されています。珍しいのは1929年の同じくJohnny Doodsの楽団Beale Street Washboard BandでDrumのBaby DoddsがWashboardを弾いています。1929年辺りのDoodsは絶版で中々手に入らなかったのでこれは良かった。

録音はその後1930、1931、1932年と飛んで1938年と1939年が納められています。

Alabama Washboard Stompers,Chicago Stompers,Washboard Rhythm Kings,Washboard Sam And His Washboard Bandといった名前が並んでいます。1932年のWashboard Rhythm Kingsは編成にAltoSaxが入ってNew Orleans風ですが同時にDodds以降の録音にはKazooが入ったりして古いミンストレルショーみたいでもあります。

1935年あたりのSwingブレイクの時期はどうだったのか?Clarence Williamsは1930年代終わりでもWashboardを加えたbandをやっていたりしますが、それと比べると1938-39年のWashboard Sam And His Washboard BandなどはさらにBluesで、音楽的にはむしろ1926年のDoddsの方が洗練されている感じがあります。このCDを通して聴くと後年の音楽の方が田舎臭くなって、一般には1939年のWashboard Samあたりがオリジナルと考えられているかと思いますが、これは誤解ではないかと考えられます。歴史的に見てWashboardはNew OrleansスタイルのJazz/Bluesは真っ当な楽器としてそれなりに扱われていたものが、現代に近くなる程、単なる民族楽器としてしか見られなくなってしまったと言えます。これは残念な事です。単にBeatを刻むという意味では真っ当なパーカッションだし、DoddsやClarenceを聴けば立派なアンサンブル楽器として位置付けされていた事は確かなのですが。

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