以前の 歴史の続きで購入。原題は"The Negro In The Making Of America" 1987年刊です。
前回と同じくアメリカ合衆国の創成期から現代に至るまでのアメリカの黒人の置かれた地位や立場の変遷、奴隷解放/差別撤廃運動等の歴史です。邦訳にして420ページで、さすがに詳しいです。読むのへビーです。何がヘビーかというと一応出来事を時間軸で並べるのですが、アメリカ自体大きい国である上に、各州毎の制度や政策、生活の違いが顕著で、良い事も悪い事もいろいろな事が同時に発生して平行して進むので全体像を捉えるのが大変です。この本も読んでいると内容がいきなり10年も20年も跳ぶので時間軸を追いかけるのでもちょと大変。一番知りたい処で1890年から1920年代あたりについてだけでもかなり複雑ですねえ。。。
どうにかかいつまんで、1865年代以降は南北戦争時の奴隷解放と、それに対する動きとしての差別構造の揺り戻しのピークでもあった時期で、黒人一般の地位が向上すると同時に反対に制度的にも差別が強まった、歴史的にも結構悲惨な時期であった模様です。
南北戦争後に再度差別が強くなった理由として、南部諸州の大規模土地所有の経済構造が戦争で負けた後もそのまま残ってしまった事、この南部の経済構造が多量の低賃金労働者を必要とした点が根っことして残り、さらに南部を負かした北軍の兵士に多くの黒人奴隷が含まれていたわけで、この辺りから南部諸州の住民から見ると黒人は全く感情的にも憎悪の対象となってしまったという事が考えられます。勝ち組北部諸州にしても南部の生産力は経済的にも無視出来ないわけで、経済構造が変わらないままではアメリカ全体としても南部人の勝手をある程度許さなければならない事情もありました。これはリンカーンが暗殺されてしまった事にもよりますが。
同時に自由黒人の組織的経済活動も政治的動きもあったわけで、黒人対白人のせめぎ合い、この時期のアメリカってまるで内乱状態にあったのではないのか?という感じもこの本を読んだ限りでは受けてしまいます。以前黒人に友好的であった教会の動きもこの頃はやや微妙で、教会の中でも黒人を分離する様になったり、黒人もなまじ自立指向があったために独立した教会組織を作っていったという経緯もある様です。このあたりが現在のGospel教会の走りか?とも思えるフシがあります。
読んでいてまたよく分からなくなってしまった。差別の強い南部ルイジアナ州のニューオリンズで何でJazzが発達したのかな?どうも貿易港で歓楽街がありました、というだけでは説明がつかないと思います。古くから住んでいたクレオールの人々が関係しているはずだけれど、その点についてはこの本では言及がありません。
事情がやや変わってきたと見られるのは1917年の第一世界大戦の勃発らしい。大戦には黒人兵士が参加して功績を上げてまたステータスが上がったと、しかしステータスが上がるにつれてまた一部地域や一部白人層での差別も強くなる。イタチごっこですな。そういったせめぎ合いの中でもその間に黒人は様々な意味での実力を付けて行ったというのも事実の様です。
・・・それにしても難しい。。。この明石書店からは他にもアメリカ黒人に関する文献出てますので、もっと調べて行きたいところです。
文責:ためすけ後藤
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1980年代、クレオールの人達は「準白人」として、当時の白人のようにヨーロッパのクラシック音楽を学び、優れた演奏家もいた。しかし、政策の変更により「非白人」扱いになったとたん、白人社会での演奏機会がなくなり、そこで黒人ブルースバンドなどと混合。
クレオール達によるクラシックのテクニックと、黒人達のブルースフィーリングがお互いを吸収して、、、。
というようなことをKEN Burnsの「JAZZ」(vol1)というDVDでは説明してました。私の簡単な説明は間違っているかもしれませんが、このDVDは貴重な当時の写真や映像もふんだんで素晴らしいです。(知人からお借りして、ちょっとづつ見てます)
http://www.geneon-ent.co.jp/music/international/gnbj1003.html
あ!!「1980年代」はテクノとヘビメタの時代でした。(^^;;
1980年・・(^^;)しょうがないですね元のwwwから間違ってるし。BurnsのドキュメンタリーはちょとTVで見ました。DVDがあるんだぁ。見たいなあ。全編はいらんから前半だけでいい。でもこの辺のレンタル屋にはなさそう。
この本は読んだことがない。
87年ですか?う〜ん、ちょうど俺が学生の頃。合衆国的にも微妙な時期だな。
この手の書籍にしては結構新書にあたりますでしょうか。この種類の邦訳本としては最新に近い様です。というか、この辺の文献が日本ではあまり発刊されてない、という事でもありますか。