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OldなJazzのルーズな日々


2008-01-03

Josephine Baker j.baker

Claude Hopkinsがかつて一緒にヨーロッパツアーをしたというダンサー/シンガー。Claude Hopkinsを聴いて興味を持ったので読んでみました。

1906-1975年、フランスで成功したアメリカ黒人というくらいの知識しか無かったけれど、この本読んでちょとびっくり。ただのダンサーではないのですね。フランスで黒人だけのレビューを行い大成功して、フランス/ヨーロッパで地位を確立したものの、アメリカでは評価されず、逆にひどい差別を受けたのをきっかけに後に反差別の行動を起こす様になります。戦中はフランスでレジスタンス活動を行い戦後はアメリカで公民権運動に参加するという、闘う女性でした。国籍の違う子供たちを養子にして育てて、日本との交流もありました。

波乱に富んだ生涯ですが、この本では特にBakerが人気を得た根拠を19世紀の植民地時代に遡り、人気の秘密をヨーロッパ人のアジア/アフリカに対する半ば偏見、半ば憧憬に起因し、アメリカ本土とは異なる形での「異質感」が根底にあると論じています。これはフランスのJazz好きな理由にもつながっている様です。興味深いのは、実際Nude DancerであるBakerが一流のArtistとして受け入れられるという当時のフランス/ヨーロッパの土壌でしょう。Bakerが出演したMusic Hallもただの娯楽場というよりも多数の芸術家や著名人が集まる文化施設で、その界隈で認められたBakerは政治的にも影響力を与える様になります。フランス/ヨーロッパとアメリカの文化的な違いも読み取れて大変面白いです。→ジョセフィンベイカー

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