こちらChoroのCD。えらいシンプルなジャケットですが、珍しく国内版。ビクターからの2000年のリリースです。タイトルに1900とありますが古い録音を復刻させたというわけではありません。現代のChoroプレイヤが19世紀ー20世紀初頭までのChoro作品を現代の感覚でアレンジ・再現したものです。リリース2000年なのでそんなとんでもなく新しいというわけではないですが。ChoroはBlues/Jazzと違って譜面での記録が残っているのでこういう企画ができるのですね。このCDの面白いのは、若手のミュージシャンが形式にこだわらないで、自由に編成などアレンジしたことらしい。フロントにスタンダードなflautaやcabaqinhoだけでなく、Tpetやtuba,cla,など小編成ブラスバンドのアレンジメントなどで録音を行っています。
この、元の譜面から編成によってオリジナルのアレンジで演奏するというのはJazz以前のRagtimeの形態もあったのです。Ragtimeバンド実態がブラスバンドであったりして。実際に19世紀のBrazileにもブラスバンドはありさかんに活動していたそうです。Choroミュージシャンもブラスバンド出身だったりするのだそうで、これはJazzの初期の環境と非常に似ていたりします。Brazilの場合行き着く先がサンバだったりしますが、何となくアメリカ黒人のJazz/BluesからR&B、R&Rなどに進む仮定とこれまた似ていなくもない。
JazzもChoroも民衆の音楽ですが、元はヨーロッパの植民地の民衆(多くの場合労働者たち)の中で発生した音楽なわけで、発生起源が似ている様なのは結構興味深い。Brazilの場合奴隷層はあまりいないらしい。独立して生計を立てていた人が多いとかの違いはありますが、Brazilの移民史など調べて比較すると面白いかもしれないです。
文責:ためすけ後藤
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