Duke Ellingtonの初期の録音です。サブタイトルにありますが、Bubber Miley(1903-1932)という伝説の(?)トランペットをメンバーにしていた時期の録音を集めてあります。
Bubber MileyはPlunger MuteをつかったWOWWOW奏法の創始者(?)で、Ellingtonはこの奏法を生かしたアレンジメントで人気を博したのでした。1924年はまだバンド名が最初に作ったWashingtoniansの名前で活動していた時期です。編成も1Tp,1Tb,1Reed+リズムのSextetバンドです。以降この編成へ少しずつ人が加わる形で編成が大きくなって行きます。1927年にコットンクラブへ登場する少し前に"Duke Ellington Orchestra"となります。1929年の段階では3Tp,2Tb,3Reed+4Rythmの12ピースです。
Ellington自身はラグタイムピアニストでJames P.Johnsonのピアノロールを真似てラグタイム/ストライド奏法をマスターしたと伝えられています。聴いて興味深いと思ったのは、1924年の録音の頃からすでに「Ellingtonしてます」つまりハーモニーの作りが全く独特なのです。Ellingtonは裕福な家の生まれで、また音楽家の家系ではない関連からか、最初から伝統(?)を無視して独自の音楽スタイルを持っていたものと考えられます。(やはり天才だと思う)
初期のTop Alto はOtto HardwickeというEllingtonと同じWashingtonDC出身のプレイヤです。1928年にJony Hodgesが代わります。CDには最初の1924年11月の録音の後、26年まで録音がありませんで、CDのライナーによれば「つまらない」のだそうです。1925年1月から1926年6月までの録音が他のCDにはあったと思ったのでまた捜しましょう。
Mileyは酒飲みでいい加減な男だったそうで、レコーディングや本番をスッポかしたりしたそうです。それでもEllingtonはMileyを買っていた様ですがMileyのこの奏法が無かったらEllingtonの人気や知名度はどうだったか? 興味深い処ではありますが、まあ才能ある人ですからまた別なアイデアで録音していたでしょうね。
文責:ためすけ後藤
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